アディダスのクッション系人気シューズであるボストン10について気になっている方多いのではないでしょうか?そんなボストン10について、基本スペックから良い点・気になる点、他シューズとの比較、さらにこんなランナーにおすすめ、アッパー素材やミッドソール、アウトソール素材について詳細な解説・レビューします。
基本情報
アディダスシリーズの中で最も定番のモデルであり、とてもバランスが取れた良い意味でクセのないtheデイリートレーニングモデルシューズがボストンシリーズです。
これまでのボストンシリーズはシリアス市民ランナーから初心者ランナーまで、ランナーのレベルを選ばない幅広い層に使われ愛されてきたシューズです。
その原動力とも言えるアディダスの独自のミッドソール素材であるBOOSTブーストが、ついに新作のボストン10では使われなくなり、アディダスが近年力を入れているライトストライクに置き換わりました。エリートレーシングシューズであるADIZERO ADIOS PRO 2と同様の反発性の強いライトストライクプロ、そして耐久性に優れたLIGHTSTRIKE EVAミッドソールフォームを組み合わせたミッドソールになっています。さらに”5本指” ENERGYRODSやCONTINENTALラバーアウトソールを搭載し反発性と耐久性を兼ね備え、前作よりも軽量で反発性のあるデイリートレーナーシューズに生まれ変わりました。
また、見た目もスニーカー的な見た目に変わり、スタックもこれまでの比較的低スタック(ミッドソールの厚み)から厚底に変わり、前足部にはエナジーロッドが搭載されたことから、これまでのボストンから大きく進化したシューズです。
同時に発売されるADIZERO ADIOS PRO 2が備えているレース本番向けのスペックを踏襲しながら、日々の強度の高いトレーニングから普段のジョギングにも使える一足です。
基本情報 | |
ブランド | Adidas アディダス |
シリーズ | ボストン |
モデル | ボストン10 |
タイプ | クッション系 |
重さ | 294g |
ヒールドロップ | 8mm (ヒール39mm、前足部31mm) |
対象ランナー | サブ3、サブ3.5、サブ4、完走、初心者 |
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また、アディオスプロ2.0も2021年夏にリリースされます!↓
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良い点・気になる点
こんな人におすすめ・使える場面やトレーニング
パーツごとの特徴
このシューズの各パーツごとの特徴や機能を紹介していきます!
アッパーの特徴
前作のボストン9ではマイクロフィット ストレッチメッシュアッパーという伸縮性とフィット感、通気性が高いメッシュ生地が使われていました。
今作のアッパーは外側(中足部)のセラーメッシュ2.0という透けている素材が、内側のエンジニアードメッシュアッパーを包み込むようなスペックになっています。アッパー素材には環境を配慮したリサイクル素材が使われています。
全体的に軽量性と通気性に優れたメッシュアッパーです。内側のメッシュアッパーが靴下のように足を包み込んでくれる2層構造のインターナルソックス構造になっていて、足全体を優しく包み込んでくれるフィット感があります。
かかと部分の履き口の生地感は肉厚になっており柔らかくクッション性の高いヒールパッドが踵周りを優しくホールドしてくれます。ヒールカップはしっかり・硬めの質感になっており着地の安定性が高くなっています。
シュータンは薄めの生地感ですがフニャフニャではなく硬めの質感なので紐の締付けが中足部に与えるストレスは少ないでしょう。また、シュータンの両サイドは内側でミッドソールにつながっているので、シュータンが中に入っていってしまうことはなく足の甲にしっかりフィットしてくれます。
中足部は非常に薄い素材(アディオスプロで使われていたようなセラーメッシュのような生地感)が使われていますが補強のためのオーバーレイが施されています。さらにつま先やシューレースホールの全部などにはスエードの補強(オーバーレイトゥキャップ)、かかと部分には補強が貼り付けられており必要な部分にはしっかりとしたホールド感と耐久性が施されています。
足型(ラスト)はマイクロフィットトレーニングラストというアディゼロジャパン6に採用されているマイクロフィットラストよりも少しゆったり目になっています。
ミッドソールの特徴
ミッドソールは前作のボストン9では、ライトストライク(上部)とBOOSTブーストフォーム(下部)の組み合わせでしたが、今作ではライトストライクプロ(上部)とライトストライク(下部)の組み合わせに大きく変更となりました。
簡単に言うと、上部は柔らかく反発性の強い素材、下部はやや固くて安定性と耐久性の高い素材になっています。前足部はライトストライクプロ(柔らかめ)の厚みが相対的に多いためより反発性が強く、一方で、かかと部分はライトストライクの厚みが相対的に多いためより安定した着地ができる仕様になっています。このミッドソールの変更によって前作から反発力が格段にUPしています。
BOOSTフォーム自体は開発から長らく時間が経っており、他社の新素材と比べると比較的重く、クッション性も劣ってきているため今後新しいシューズに搭載されるのは少なくなっていくでしょう。一方で新しいアディダスウルトラブースト21などでは改良版のブーストフォームが搭載されています。
さて、このライトストライクプロといえばアディオスプロという5本指カーボンシューズでありエリートランナー向けのシューズで初めて搭載されたミッドソールです。接地感としては柔らかく、非常に反発性の優れたフォームです。
その不安定さを補強するために下部には、より固めのライトストライクフォームが搭載されています。このフォームは一般的なEVAよりも40%軽量ながらBOUNCEフォーム(EVA)と同等の反発力を保っており、安定性が高く、着地時の横ブレが少ない素材です。
いずれも軽量なミッドソール素材が搭載されていることから、ボストン9と比べて新作のボストン10はややミッドソール全体の厚み・スタックが高くなっていることがわかります。これによってクッション性も格段に上がりました。一方で前作に比べて地面との接地感覚・自分で地面を蹴っている感覚は薄れ、厚底シューズの接地感覚に近くなります。
さらに大きな変更としては、前足部にアディオスプロに搭載された技術エナジーロッド(5本の固い素材)が搭載されるということです。エナジーロッドは屈曲性・柔軟性に優れたグラスファイバー素材で作られており、これにより足の中足骨に沿ってライド感を生み出してくれます。
また着地時の適度な沈み込みや安定性、重心移動時の反発性を生み出し、前への推進力を生み出してくれます。特に前足部は反発性が強く柔らかいライトストライクプロの厚みが多いためエナジーロッドによって安定性が補強されている形になっています。
また、踵部分にはナイロン製のヒールプレートが搭載されており、着地から蹴り出しにの足首周りのぐらつきを抑えエネルギーロスなく前に推進力を生み出すことができます。
アウトソールの特徴
新作のボストン10では、前作同様コンチネンタルのグリップ力と耐久性に優れたラバーがほぼ全面にアウトソールに使われています。ヒールストライク・踵着地でも安定した着地ができるようになっています。
また、今作も前作同様フラットソールで、接地面積は大きめに取られており着地時の安定性は高くなるようなデザインになっていることがわかります。また、中足部はえぐれており、ミッドソールの中の5本のエナジーロッドのうち3本が見えるようになっています。
これまでのアディダスと言えば前作のボストン9に代表される、自転車や自動車のタイヤに使われているコンチネンタルラバーというグリップ力と耐久性に優れた素材、そして、中足部にTORSION SYTEMトーションシステムが組み合わされており、足のねじれを軽減してくれ、長く走っている時の足の疲労感やストレスを軽減してくれるというアウトソールが定番です。今作では引き続きコンチネンタルラバーのアウトソールになっていますが、TORSION SYSTEMは搭載されていません、その分5本のエナジーロッドが反発と安定性を生み出してくれるスペックになっています。
発売時期・価格
日本での発売開始は7/1です。
前作のボストン9の定価が13,200円でしたが、今作は定価税込15,400円に値上がりしました
前作ボストン9・類似シューズ
前作のボストン9は発売から時間がたち、だいぶ価格が下がってきておりカラーやサイズ次第では6,000円前後で販売しているオンラインショップもあります。このタイミングで前作を買うのもありですね。
また、ボストン10同様に各メーカーの2021年の新作デイリートレーニングシューズを紹介します。各紹介ページを参考にしてください。
ナイキ ペガサス38
ナイキのデイリートレーニングシューズとして最も歴史があり世界の多くのランナーから愛されているペガサスシリーズの最新作38が2021年春にリリースされました。ペガサス37からアッパー部分が主にマイナーアップデートとなり、より安定感・ホールド感のあるアッパー素材に変更になっています。マイナーアップデートなので前作の37も価格が落ちておりコスパの観点ではおすすめです。
ホカオネオネ クリフトン8
ホカオネオネのフラッグシップモデルであるクリフトン8が2021年6月(レディスは7月)リリースされました。こちらもデイリートレーニングシューズですが、ボストンやペガサスに比べてよりクッション性・安定性が高いため、ゆっくり長い距離を走るのに向いており、より初心者ランナーにおすすめできるシューズとなっています。
前作のクリフトン7からのマイナーアップデートとなっており、価格が落ちてきているクリフトン7(前作)もコスパの観点ではおすすめです。
アシックス エボライド2、グライドライド2
こちらはアシックスのライドシリーズの新作であるエボライド2とグライドライド2です。いずれも2021年2月にリリースされた新しいモデルです。メタロッカー構造というつま先が反り上がった形状になっており、より楽に少ない力で長く走れることをコンセプトに作られたデイリートレーニングシューズです。エボライド2の方がより経験者向け、グライドライド2の方がより初心者向けの作りになっています。こちらも前作のエボライド、グライドライドのマイナーアップデートとなっているので前作もコスパの観点ではおすすめです。
以上、いかがでしたでしょうか?Have a nice run!!