(最新レビュー)アディゼロアディオスプロ2.0 / Review of ADIZERO ADIOS PRO 2.0 4.03/5 (14)

adidas アディダス

アディダスのレース、スピード系人気シューズであるアディオスプロ2.0について気になっている方多いのではないでしょうか?そんなアディオスプロ2.0が2021年7月1日に発売されます。基本スペックから良い点・気になる点、他シューズとの比較、さらにこんなランナーにおすすめ、アッパー素材やミッドソール、アウトソール素材について詳細な解説・レビューします。

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基本情報

2020年にアディダスが満を持して発売したエリートランナー向けの厚底カーボンシューズであるアディオスプロが2021年7月1日に2.0となって発売されます。「革新的厚底軽量エリートレーシングシューズ勝負の5本指カーボン」という挑戦的なコンセプトのシューズです。
前作のアディオスプロはライトストライクプロと5本指のカーボン素材のエナジーロッドによって、ナイキのヴェイパーフライと同じくらいの爆発的な推進力を発揮してくれるレーシングシューズでした。
新作の2.0は前作のミッドソールのライトストライクプロの非常に強い反発性・推進力はしっかりと引き継ぎつつ、前作でややネガティブなレビューが多かったF1のスリックタイヤのような溝のないアウトソールが、アディダスのランニングシューズの代名詞でもあるコンチネンタル製のラバーに改善されつつ、さらにより軽量なモデルに進化しました。そしてアディダスが企業として力をいれているサステイナブル素材で作られている製品です。ユーザーのレビューと企業としての環境配慮への姿勢を融合した、競技向けの素晴らしいランニングシューズになっています。

基本情報
ブランドアディダス
シリーズアディオス
モデルアディオスプロ2.0
タイプレース、スピード系
重さ215g
ヒールドロップ10mm (かかと部分39.5mm, 前足部29.5mm)
対象ランナーサブ3、アスリート

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良い点・気になる点

良い点・おすすめポイント
  1. World Athleticsの新ガイドライン公認のエリートランナー向けのランニングシューズです(規定ギリギリのかかと部分39.5mmのスタック)
  2. ミッドソール「ライトストライクプロ」はアディダスの他のミッドソールに比べて非常に強い反発力とクッショニング、そして軽量性を兼ね揃えています
  3. 前足部にはEnergyrodエナジーロッドという5本の棒状のカーボンが入っており、前へグインと進む強い推進力・ライド感が味わえます
  4. アウトソールラバーがコンチネンタルのラバーで前作に比べてグリップ力と耐久性がアップしました
  5. 前作同様、比較的前足部が広めでかかとが細めの日本人の足型に合いやすいラストになっています
  6. アウトソールの耐久性が増していますが、なんと前作よりも約10g軽量になっています
  7. 日本での前作(定価税込27,500円)よりも若干値下がりし、定価税込26,000円になりました
気になる点・悪い点
  1. 男女兼用(レディスがない)のモデルのため女性ランナーはハーフ~1サイズダウンで購入を検討されたほうが良いかもしれません

こんな人におすすめ・使える場面やトレーニング

サブエガ~アスリート向けの長距離のレーシングシューズです。非常に反発性が高く、前への推進力があるシューズでありながら、安定性・使いこなしやすさも兼ね揃えているシューズです。
フラットなアウトソールと内蔵されているエナジーロッド及びかかと部分のヒールプレートにより足首の関節を安定させランナーの足の正しい曲げ動作を促しスムーズな走りをサポートしてくれることにより、レースの最後まで足が残りやすく自然な走りをガイドしれくれます。
前作からアッパーとアウトソール素材がアップデートされ、さらにミッドソールの構造が進化したことでより軽量でスピードと安定性・グリップ力の高いシューズに進化している印象です。

エリートレーシングシューズの対抗馬としてナイキのヴェイパーフライが挙げられますが、比較して言うと、①ヴェイパーフライと比べて足型が幅広で日本人のラストに合いやすいこと、さらに②カーボンプレートの存在を感じにくいため履き心地の癖がなく(ドロップは10mmですが感触としてはフラット目な接地感)履きこなしやすい、また③長い距離で履いてもカラダへのダメージが少ない・ランニングエコノミーを高く保って履けるシューズになっています。一方でヴェイパーフライのほうがやや軽量であり、全体的な前への推進力・ミッドソールの反発力はヴェイパーフライの方が強い印象です。

パーツごとの特徴

このシューズの各パーツごとの特徴や機能を紹介していきます!

アッパーの特徴

前作のセラーメッシュアッパーが進化したより軽量で通気性に優れたセラーメッシュ2.0が使われています。写真で見て分かる通り、向こう側が透けて見えるくらいの薄い素材になっています。セラーメッシュ2.0アッパーは、前作で使われていたアディダスにおける最薄最軽量のリサイクルポリエステル製メッシュが進化したアッパーになっています。この素材は雨に強く濡れてもサラサラな状態を保ってくれる素材で、ADIZERO TAKUMI SEN 7に使われているアッパーと同じような質感です。

前作のセラーメッシュアッパーに比べて硬さがない分若干ホールド感・ガッチリとしたロック感は少ないですが、柔らかい分より足馴染みが良いなめらかな履き心地になっています。

また、ミッドソールの高いクッショニングによるグラつき・不安定さを抑えるために、アッパーの内側、特に中足部のサイドにサポートケージ・補強材が組み込まれており、足をしっかりとロック・ホールドしてくれます。他のレーシングシューズ同様、シュータンやヒールカウンター・かかと周りの生地感は非常に薄く柔らかい素材になっていますが、かかと部分には補強材が入っており一定の安定感を担保してくれています。
足型は前作同様、前足部が比較的幅広で丸みがあって(女性にとってはやや大きく感じるでしょう)かかと部分がスリムな日本人の足型に合いやすいラストになっています。ナイキのヴェイパーフライのような全体的にスリムな足型よりもアディオスプロの方がフィット感が高いというランナーは多いのではないでしょうか。

新作のアディオスプロ2.0
前作のアディオスプロ
新作のアディオスプロ2.0
前作のアディオスプロ
新作のアディオスプロ2.0
非常に薄く透けているが中足部には補強材が施されている
セラーメッシュアッパー2.0の通気性は高い

通気性・透明性の高いアッパー素材

ミッドソールの特徴

ミッドソールは前作から新しく搭載されたLIGHTSTRIKE PROライトストライクプロが採用されています。このライトストライクはアディダスの他のシューズに搭載されているLIGHTSTRIKEよりも、もちもちした、柔らかく、沈み込むような素材になっています。(通常のLIGHTSTRIKEライトストライクはもう少し固い感じで感触が異なるためLIGHTSTRIKEライトストライクという名前がついているのがやや違和感があるくらいです。)

このフォームはアディダスの中で最も軽量で反発性の高いフォーム素材になっていて、実際に履いてジャンプしてみるだけでその強い反発を感じることができます。この反発の強いフォームがバネの役割になり、一歩一歩のストライドが大きくなりスピードに乗りやすくなっています。

また、カーボンプレートが非常に特徴的で、足の5本の指に合わせるよう、そわせるようにENERGYRODS(エナジーロッド)というカーボンバーが搭載されています。今作ではアウトソールの中央部分がえぐれていて内側に入っているENERGYRODエナジーロッドの存在を確認できます。このENERGYRODエナジーロッドは湾曲して搭載されているため着地したときにより前への推進力を与えてくれます。

LIGHTSTRIKE PROでこのエナジーロッドをサンドイッチすることで着地時の適度な沈み込みや安定性と前へのスムーズな重心移動、カクンと前に移動する感じをサポートしてくれます。これによって接地時間が短くなり足抜けが速くなります。また、かかと部分にはナイロンとカーボンファイバーのヒールプレートが搭載されており、これによってヒールストライク気味に着地してもしっかりと安定性をたもってくれます。

前作との違いとして、ミッドソールが上段と下段にはっきり分かれた見た目になっていること、さらに中足部がやや内側にえぐれている構造になっていることです。前作ではミッドソールが1レイヤーのような見た目になっていました。ただ、前作も実は中身はライトストライクプロのサンドイッチ構造とナイロンカーボンのヒールプレート、そしてエナジーロッドという複数の素材が合わさったミッドソールでした。

しかしながら履いてみると不思議とエナジーロッドやヒールプレートの違和感を感じることなく大きな一つのミッドソールとしての一体感・全体としてのハーモニーがあるミッドソールになっています。よって新作のミッドソールも一体感があり、エナジーロッドやヒールプレートの違和感を感じにくいミッドソールになっています。

更に今作は前作に比べてスイートスポットの癖がなく結果として接地の安定感が増しており、グラつきによるエネルギーロスが少なく推進力を前に生み出してくれるミッドソールのデザインになっています。

新作のアディオスプロ2.0 2層構造がはっきり分かれている 中足部がえぐれている
新作のアディオスプロ2.0(Blue color)
前作のアディオスプロ
新作のアディオスプロ2.0
新作のアディオスプロ2.0 中足部が内側にえぐれている
新作のアディオスプロ2.0(Blue color)
新作のアディオスプロ2.0(Blue color)
前足部の5本指カーボンが前へのライド感を与える
前足部の5本指カーボンが前へのライド感を与える
5本のエナジーロッドが内蔵されている(写真は前作のもの)

アウトソールの特徴

アウトソールの見た目は前作から大きく変化しています。新作の2.0では、コンチネンタル社製のアウトソールラバーが採用されています。コンチネンタル社のラバーは自動車や自転車のタイヤなどに使われているグリップ力と耐久性の高いラバーです

前足部とかかと部分にこのラバーが装着されており、特につま先の蹴り出し部分には厚めのラバーが付いています。また、前作では一切溝がないフラットなラバーでしたが今作では、多数の丸い溝が入っています。さらに、中足部の内側のアウトソールとミッドソールはえぐれており、内蔵されているエナジーロッドが見えるようになっています。

新作のアディオスプロ2.0 コンチネンタルラバーが採用 中足部がえぐれておりエナジーロッドが見える
新作のアディオスプロ2.0 ラバーが付いている位置は前作同様
前作のアディオスプロ

終わりに

新作が発売されるタイミングで価格が下がってくるであろう前作の購入もおすすめです。

以上、いかがでしたでしょうか?それでは Have a nice run!!
adidas公式ホームページ
https://shop.adidas.jp/running/

(画像は公式HPより引用)

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