このページでは、バネのようにポンポン跳ねる、高反発系の履き心地のシューズのうち、比較的新しい(2019,20,21年発売)ランニングシューズのおすすめ、まとめをご紹介します。マラソンレース大会本番向けのカーボン厚底シューズは跳ねるのが当たり前なので、そうでない、カーボンプレートが入っていない、初心者でも履きやすいランニングシューズを中心にご紹介します。ナイキ、アシックス、ニューバランスなど各メーカーごとにご紹介します。
高反発系ランニングシューズとは?
そもそも各メーカーが出している高反発性の推進力の高いシューズとはどのような特徴があるのでしょうか?
どのメーカーも2,3種類のミッドソールのタイプがある
意外と知られてないかもしれませんが、各メーカーはクッション(ミッドソール素材)の硬さや反発性・軽量性が異なる複数の種類のシューズを出しています。例えばナイキの場合は、クッション性に優れたリアクトフォームという素材を使ったシューズと、軽量性と反発性にすぐれたZOOM XズームXフォームという素材を使ったシューズがあります。
また、ニューバランスはフューエルセルという反発性に優れたフォームと、フレッシュフォームという柔らかい素材のフォームがあります。とてもざっくり言ってしまうと、スピードを出しやすい反発性・軽量性の高いミッドソールと、ゆっくりのスピードで走った時にクッション性が高い柔らかいミッドソールという2つのタイプの素材を開発してシューズを販売しているというわけです。
ストライドが伸びる・足を高回転で回せる
高反発なバネのようにスプリンギーなシューズのメリットは、ミッドソールからの反発を活かして一歩一歩の足幅ストライドが伸びたり、ピッチを上げやすく(足を高回転で回す)なったりすることで、スピードが上がることです。
ランニングのスピードを上げるためには、一歩一歩のストライドを上げるか、足を高回転で回すピッチを上げるか、この2つの選択肢しかないですが、高反発系の跳ねるシューズを履くことによってどちらも上げやすくなり結果としてスピードが上がりやすくなります。また、高反発性のランニングシューズはたいてい軽量なモデルが多いので、さらにスピードが出しやすいです。
オーバープロネーションには気をつける
高反発で跳ねるシューズを履いている時に気をつけたいのは足の過度な回外や回内による怪我や疲労です。高反発なミッドソール・クッションに着地するということは、バネの上に足を着地しているのと同じく不安定でぐらつくこともあるため、足が外側や内側に過度に倒れ込んでしまうことがあります。
ランニング中の着地時には体重の約3倍の重さが足にかかるため、足がぐらついた状態で着地してしまうと膝や股関節、足首を痛めることにつながってしまいます。ですので、ある程度ウォームアップをした状態でスピードを上げたり、体重が重い人は高反発系シューズを履く頻度を下げたり、しっかりと柔軟・ストレッチをしてから履いたり、と怪我しないような工夫をして履いたほうがいいでしょう。
それでは、ここからは具体的なシューズをご紹介します。各シューズの詳細なレビューはこのブログで紹介していますのでリンク先を参考にしてください!
ナイキ
ナイキズームXインヴィンシブルラン
ナイキのZOOM Xという高反発で軽量なミッドソール素材が全面に採用された初めてのシューズ(カーボンのは入っていないシューズ)で、2021年に新しく登場しました。
他の高反発系のシューズと違って、「怪我ゼロ」というコンセプトのもと作られたシューズなので、単に反発性があるだけでなく、しっかりと着地時の安定性が高い仕様になっています。アウトソールの接地面積が大きいことや、かかと部分のヒールカウンターや履き口の生地の厚みなどによる高いホールド感など、初心者でも怪我の心配なく履きやすいシューズです。一歩一歩、ZOOM Xの弾むような感覚を楽しみながら走れる最新シューズです。
ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%
前足部のエアポッドによる反発性を活かして走る、ミッドフット・フォアフット着地のやや中上級者向けのランニングシューズです。カーボンではないのですが、合成素材で作られたプレートが入っており、そのプレートが着地のエネルギーによって屈曲して戻る力がさらに推進力となって加わります。このプレートはカーボン素材のものよりも柔らかいので足への負担もあまりないのが特徴です。
アシックス
アシックス ノバブラスト
アシックスのアウトソールはどちらかというと固いイメージがありますが、このノバブラストはこれまでのアシックスのランニングシューズの常識を大きく覆す「いつもの道を弾ませよう」というコンセプトのシューズで、非常に跳ねる・ポンポン飛ぶ感覚が楽しめるシューズです。FlyteFoamブラストという軽量で反発性のあるミッドソールとアウトソールの凹んだ形状によってトランポリンのように強い反発・バネが返ってきます。普段ジョギングをしない人に是非履いていただき、走ることの楽しさを感じてほしいと思います。
アシックス ノバブラスト2
アシックスのノバブラスト2はノバブラスト1の改良版として2021年にリリースされました。
前作でレビューの多かった不安定さを取り除き、より安定して走れ、かつポンポン弾むような感覚はそのままに、より万人受けするシューズに進化しました。
ニューバランス
フューエルセルレベルv2
2021年に新登場したフューエルセルシリーズの最新作であるフューエルセルレベルv2です。フューエルセルというのはニューバランスのミッドソールの名称で、非常に軽量で反発性の高いフォームです。これが使われているシューズは様々あるのですが、実はシリーズによってこのミッドソールの硬さや重さは若干異なります。中でも、このフューエルセルレベルは手で触っただけでもわかるくらい非常に柔らかくもちもちした質感です。しかしながら実際に走ってみると柔らかすぎて不安定であるということはなく、しっかりとパンっと反発・バネを返してくれるシューズです。初心者の方のジョギングからサブ3.5くらいの市民ランナーのペース走まで幅広いスピードで履けるデイリートレーナー兼テンポアップシューズです。
プーマ
プーマ ベロシティニトロ
プーマが2021年に出した新作5つのうち、カーボンプレートが入っていない初心者向けのシューズがこのベロシティニトロです。ニトロフォームというプーマ独自の軽量で反発性の高いミッドソール素材が使われていて、さらにかかと部分の安定性もしっかりしているシューズなので、初心者でも安心して履きやすいシューズです。また、さらにレベルアップしたときのシューズとしてより軽量でスピードの出しやすいリベレイトニトロもあります。詳しくは、ニトロシリーズの比較ページを御覧ください。
ホカオネオネ
マッハ4
ホカオネオネのシューズはどちらかと言うとクッション性の高い、柔らかいミッドソールが多いという印象がありますが、このマッハ4は反発性と軽量性に優れている柔らかめなProflyフォームというミッドソールと、そのフォームを周りから包む固い素材兼アウトソールの役割を果たすラバライズドフォームのコンビネーションが、テンポアップしてスピードを出しやすい推進力を生んでくれます。2021年初旬に発売されたシューズですが、業界ではすでに2021年No.1という呼び声も高い高機能シューズです。
ブルックス
ハイペリオンテンポ
ブルックスの新しいミッドソールDNA FLASHが使われているシューズで、とても軽量で反発性の高いシューズです。本来の用途としては若干上級者向けのテンポアップシューズではありますが、ブルックスはクセのない履き心地で、足入れのフィット感も高く、決して厚底すぎないソールなのである程度ランニングをしている方であれば履きやすいシューズです。
以上いかがでしたでしょうか?ぜひお気に入りの一足を見つけてランニングを楽しんでください!Have a nice run!!