このページでは、ヒールストライク(踵着地)、ピッチ走法をされているランナー、あるいは女性ランナーにおすすめのランニングシューズをご紹介します。
上級者ランナーに多いストライド走法、ミッドフット・フォアフット着地ではなく、一般的な市民ランナーに多い走法であるヒールストライクやピッチ走法、そして女性ランナーに合うおすすめランニングシューズをご紹介します。
ヒールストライク(踵着地)におすすめのランニングシューズの特徴
ヒールストライクは踵から着地して重心を前に移動しつつつま先から蹴り出す一連の動作のことを言い、市民ランナーの方に最も多い走り方です。
フォアフット(前足部着地)、ミッドフット(中足部着地)と比較して、足への衝撃やダメージが最も少なく長距離を走るのに優れているというメリットがある一方で、ある程度のスピード(キロ4分~3分)を出そうとすると前腿の筋肉がブレーキとなって効いてしまうためスピードが出しにくいというデメリットがあると言われています。
そんな踵着地をするランナーにおすすめしたいランニングシューズの特徴は、ミッドソールの素材・クッションが単一でできていることです。
現在様々なランニングシューズが発売されていますが、ミッドソール(クッション部分)が複数の素材や要素で構成されているものと、単一の素材でできているものがあります。ヒールストライクのランナーはミッドソールを全面使うので、なるべく違和感がなく、重心移動がスムーズなように単一の素材でできているようなシューズの方がおすすめです。
例えば、踵と前足部の素材がやや異なったり、カーボンプレートが前傾した形で内蔵されているシューズなどは個人的にあまりおすすめできません。下記にご紹介するシューズはどれもミッドソール素材が単一のものでできており、着地から蹴り出しまでの足のクッション感がとてもスムーズで、踵着地のランナーにおすすめです。
また、もう一つ重要な特徴は、クッション性の高さです。フォアフットはミッドフットの市民ランナーはすでに脚力や持久力がある経験のあるランナーさんが多いですが、踵着地のランナーさんの中にはまだ初心者で脚力に自信がないランナーさんも多いと思います。
ですので、ミッドソールが薄い所謂「薄底」ではなく、やや厚めの素材感、クッション性が高い素材感が良いでしょう。
ピッチ走法におすすめのランニングシューズの特徴
ランニングには大きく、伸長や速度に対して比較的歩幅(ストライド)を狭く高回転で足を回して走るピッチ走法と、対象的に一歩の歩幅(ストライド)が広く一歩一歩飛んで走るようなストライド走法があります。
多くの市民ランナー(マラソン完走、サブ4、サブ3.5くらいのレベル)や女性のランナーはピッチ走法の方が多いと思います。
ピッチ走法におすすめのランニングシューズの特徴としては2つあります。
1つはアウトソール(底部分)がセパレート型ではなくフラットソールになっていることです。ランニングシューズには前足部とかかと部分が別れており、中央部分がシャンクというプラスチックのような素材で繋がれているセパレート型のアウトソールと、かかとから前足部までつながっているフラットソール型のアウトソールがあります。
ストライド走法の方は、前足部で着地することが多いので、シャンクを屈曲させてそれが戻ろうとする力を推進力に変えて進むことができるためセパレート型の方が合うと言われます。一方で、ピッチ走法の場合は踵から前足部まで全面が地面に付くので、フラットソールの方が安定して走ることができます。
よって、フラットソールの方が着地の足のブレが少なく、蹴り出しまでの重心移動がスムーズになります。
2つめの特徴は、Nice to have(あったらプラス)的な特徴なのですが、ロッカー構造です。これは踵やつま先の反り上がった形状のことで、ゆりかごのようにコロンと前に重心をガイドしてくれる効果があります。踵から着地して、ゆりかごのように前にスムーズに体重をガイドしてくれる機能が備わっているシューズの方が、より楽に自然に走る体感が得られるでしょう。
女性ランナーにおすすめのランニングシューズの特徴
2021年名古屋ウィメンズマラソンがありましたが、直近にあった男子の大会びわ湖毎日マラソンと比べると、女性ランナーのシューズはより多種多様でした。
女性ランナーには上述したヒールストライク、ピッチ走法のランニングスタイルが多いと思います。
さらにそれらに加えて女性特有の骨格や筋力があるため、ランニングシューズに求めたい機能としてホールド力・フィット感・安定性が挙げられます。
男性ランナーに比べて脚力が小さく、踵や足が細いランナーが女性には多いので、着地時の足のブレやグラつきが体への疲労感やダメージに繋がりやすいです。
よって、靴の中でしっかりと足をホールドしてくれること、特に踵周りの安定感は大事なので、ヒールカウンターや履き口まわりの素材がしっかりしていること、アウトソールの着地面積が大きいこと、クッションがあまり柔らかすぎないことというポイントが重要になってきます。
以上のようなランニングシューズに求めたい特徴をもとに、下記では具体的におすすめのランニングシューズをご紹介します。
ナイキ リアクトインフィニティランフライニット2
ミッドソールのクッションがリアクトフォームというクッション性に優れた素材が使われています。若干柔らかい素材ですが、アウトソールがフラットソールで接地面積が大きく、踵のTPUクリップが安定性をサポートしてくれます。踵周りのホールド感も高いです。全体ロッカー構造が効いているためスムーズな重心移動をアシストしてくれます。
アシックス グライドライド
つま先が反り上がった形状になっており、少し前に体重移動するとコロンと前に進むような感覚が味わえます。アシックスならではのアッパーとヒールカウンターのがっしりしたホールド感があり安心して履くことができるシューズです。最新のグライドライド2は、女性用と男性用若干仕様・デザインが異なっており、女性特有の筋力や骨格の特徴を反映した作りになっています。
アシックス エボライド
グライドライドよりも、よりスピードを出すランナー(サブ3.5、サブ4)におすすめのシューズです。グライドライドと比べてクッション性とロッカー構造は弱いですが、その分スピードを出しやすい、蹴り出しの足抜け感が気持ちよく足を高速で回転させやすいピッチ走法に向いたシューズと言えます。
ホカオネオネ クリフトン7
ホカオネオネの代名詞でもあるメタロッカー構造とマキシマムクッションが効いており、踵から着地して足抜けまでがとてもスムーズです。もともとホカオネオネは山を下り降りるトレイルランニング用に作られていることもあり、踵着地を想定された作りになっていると言えるでしょう。
クッション性も高く、やや細身の足型(ラスト)なので女性にも合いやすいシューズです。足幅のワイドタイプもあるので男性にもおすすめです。
リンコン2
クリフトン7は初心者向けですが、このリンコン2はかなり軽量でシリアス市民ランナーにも使いやすいシューズです。
ゆっくりペースのジョグからキロ3分台まで幅広いペースで走りやすい、とても軽量で足を回しやすい(ピッチ走法に向いている)シューズです。軽量ながら、ヒールカウンターもしっかりしており、着地面積も大きいアウトソールなので、速いスピードで走ってもある程度安定感があります。
ON クラウドスイフト
ONのシューズの特徴はクラウドテックと呼ばれる穴の合いた一つ一つのクッションが独立していることと、アウトソール全面に入っているスピードボードという硬い素材です。これによってクッション性がしっかりしており、かつ踵から着地してもスピードボードが重心を前にスムーズにガイドしてくれます。
このクラウドスイフトはスピードボードが、より上級者向けのシューズよりも柔らかく作られているので初心者にも履きやすいシューズです。クッション性はグニョグニョしているというよりはやや硬めな素材感で、ヒールカウンターもしっかりしているので安定感のある走りができます。
ブルックス アドレナリンGTS21
アメリカではNo.1のシェアを持つブルックスのランニングシューズの特徴は、ミッドソールのDNALOFTと呼ばれる素材です。この素材は体重が異なるランナーが履いても、必要な分だけクッションを発揮してくれるという素材になっており、体重の軽いランナーにも重いランナーにも、足に優しいクッション感があります。また、アウトソールにGUIDERAILSテクノロジーが搭載されており、これによって足の倒れ込み(過度な回内、回外)を防いでくれるので脚力がないランナーでも安心して履くことができるモデルです。
以上いかがでしたでしょうか。是非お気に入りのランニングシューズを見つけて快適なランニングを楽しんでください!では、Have a nice run!!