アディダスのクッション系人気シューズであるボストン11について気になっている方多いのではないでしょうか?そんなボストン11について、基本スペックから良い点・気になる点、他シューズとの比較、さらにこんなランナーにおすすめ、アッパー素材やミッドソール、アウトソール素材について詳細な解説・レビューします。
基本情報
アディダスシリーズの中で最も定番のモデルであり、とてもバランスが取れた良い意味でクセのないtheデイリートレーニングモデルシューズがボストンシリーズです。
これまでのボストンシリーズはシリアス市民ランナーから初心者ランナーまで、ランナーのレベルを選ばない幅広い層に使われ愛されてきたシューズです。
その原動力とも言えるアディダスの独自のミッドソール素材であるBOOSTブーストが、昨年発売したボストン10では使われなくなり、アディダスが近年力を入れているライトストライクに置き換わりました。エリートレーシングシューズであるADIZERO ADIOS PRO 2と同様の反発性の強いライトストライクプロ、そして耐久性に優れたLIGHTSTRIKE EVAミッドソールフォームを組み合わせたミッドソールになっています。さらに”5本指” ENERGYRODSやCONTINENTALラバーアウトソールを搭載し反発性と耐久性を兼ね備え、前作よりも軽量で反発性のあるデイリートレーナーシューズに生まれ変わりました。
新作の11は前作からのマイナーアップデートとなっておりアッパーがより軽量でハリのある硬い素材になったことで、前作に比べてエネルギーロスが少なく前への推進力・ライド感を味わえるスペックになりました。通気性もUPしているので夏場のジョグにも最適です。
基本情報 | |
ブランド | Adidas アディダス |
シリーズ | ボストン |
モデル | ボストン11 |
タイプ | クッション系 |
重さ | 270g |
ヒールドロップ | 8.5mm |
対象ランナー | サブ3、サブ3.5、サブ4、完走、初心者 |
ボストン10のレビュー詳細はこちら↓
良い点・気になる点
こんな人におすすめ・使える場面やトレーニング
パーツごとの特徴
このシューズの各パーツごとの特徴や機能を紹介していきます!前作の10との比較も交えながら紹介します。
アッパーの特徴
前作のボストン10からの唯一の変更点はアッパー素材です。
新作は、2 LAYER SUPERLIGHT MESHという環境に配慮したリサイクルポリエステルをベースとしたアディゼロシリーズでは最薄最軽量メッシュアッパーになっています。軽量性がありながら、しっかりとホールドしてくれる硬めのアッパー素材です。また透け透けな素材なので前作に比べて格段に通気性がUPしています。
かかと部分の履き口もアップデートされました。前作の生地感は肉厚になっており柔らかくクッション性の高いヒールパッドが踵周りを優しくホールドしてくれる感触でした。一方で今作は、ヒールカウンターがより、細身、シュッとした形状になりがっちりとホールドしてくれる感触に変わっています。
シュータンは薄めの生地感ですがフニャフニャではなく硬めの質感なので紐の締付けが中足部に与えるストレスは少ないでしょう。また、シュータンの両サイドは内側でミッドソールにつながっているので、シュータンが中に入っていってしまうことはなく足の甲にしっかりフィットしてくれます。
中足部は非常に薄い素材(アディオスプロで使われていたようなセラーメッシュのような生地感)が使われていますが補強のためのオーバーレイが施されています。さらにつま先やシューレースホールの全部などにはスエードの補強(オーバーレイトゥキャップ)、かかと部分には補強が貼り付けられており必要な部分にはしっかりとしたホールド感と耐久性が施されています。
足型(ラスト)はマイクロフィットトレーニングラストというアディゼロジャパン6に採用されているマイクロフィットラストよりも少しゆったり目になっています。
ミッドソールの特徴
ミッドソールは前前作のボストン9では、ライトストライク(上部)とBOOSTブーストフォーム(下部)の組み合わせでした。
新作の11では前作のボストン10のスペックから変更はありません。ライトストライクプロ(上部)とライトストライク(下部)の組み合わせです。
簡単に言うと、上部は柔らかく反発性の強い素材、下部はやや固くて安定性と耐久性の高い素材になっています。前足部はライトストライクプロ(柔らかめ)の厚みが相対的に多いためより反発性が強く、一方で、かかと部分はライトストライクの厚みが相対的に多いためより安定した着地ができる仕様になっています。このミッドソールの変更によって前作から反発力が格段にUPしています。
BOOSTフォーム自体は開発から長らく時間が経っており、他社の新素材と比べると比較的重く、クッション性も劣ってきているため今後新しいシューズに搭載されるのは少なくなっていくでしょう。一方で新しいアディダスウルトラブースト21などでは改良版のブーストフォームが搭載されています。
さて、このライトストライクプロといえばアディオスプロという5本指カーボンシューズでありエリートランナー向けのシューズで初めて搭載されたミッドソールです。接地感としては柔らかく、非常に反発性の優れたフォームです。
その不安定さを補強するために下部には、より固めのライトストライクフォームが搭載されています。このフォームは一般的なEVAよりも40%軽量ながらBOUNCEフォーム(EVA)と同等の反発力を保っており、安定性が高く、着地時の横ブレが少ない素材です。
いずれも軽量なミッドソール素材が搭載されていることから、ボストン9と比べて新作のボストン10はややミッドソール全体の厚み・スタックが高くなっていることがわかります。これによってクッション性も格段に上がりました。一方で前作に比べて地面との接地感覚・自分で地面を蹴っている感覚は薄れ、厚底シューズの接地感覚に近くなります。
さらに前作同様、前足部にアディオスプロに搭載された技術エナジーロッド(5本の固い素材)が搭載されています。エナジーロッドは屈曲性・柔軟性に優れたグラスファイバー素材で作られており、これにより足の中足骨に沿ってライド感を生み出してくれます。
また着地時の適度な沈み込みや安定性、重心移動時の反発性を生み出し、前への推進力を生み出してくれます。特に前足部は反発性が強く柔らかいライトストライクプロの厚みが多いためエナジーロッドによって安定性が補強されている形になっています。
また、踵部分にはナイロン製のヒールプレートが搭載されており、着地から蹴り出しにの足首周りのぐらつきを抑えエネルギーロスなく前に推進力を生み出すことができます。
アウトソールの特徴
新作のボストン11のアウトソールは前作からの変更はありません。前作同様コンチネンタルのグリップ力と耐久性に優れたラバーがほぼ全面にアウトソールに使われています。ヒールストライク・踵着地でも安定した着地ができるようになっています。
また、今作も前作同様フラットソールで、接地面積は大きめに取られており着地時の安定性は高くなるようなデザインになっていることがわかります。また、中足部はえぐれており、ミッドソールの中の5本のエナジーロッドのうち3本が見えるようになっています。
これまでのアディダスと言えば前作のボストン9に代表される、自転車や自動車のタイヤに使われているコンチネンタルラバーというグリップ力と耐久性に優れた素材。あらゆる天候、ロードコンディションにおいて優れたグリップ力を発揮してくれ、スリップによるエネルギーロスを軽減してくれます。
今作では引き続きコンチネンタルラバーのアウトソールになっていますが、ボストン9に搭載されているTORSION SYSTEMは搭載されていません、その分5本のエナジーロッドが反発と安定性を生み出してくれるスペックになっています。
以上、いかがでしたでしょうか?Have a nice run!!