2020年にアディダスが満を持してリリースしたカーボン入りのシューズであるアディゼロプロとアディオスプロ、それぞれどのような特徴があり、サブエガ、サブ3レベルの市民ランナーにとってどちらが良いのでしょうか?この2つのシューズはアディダスのレース系のシューズというジャンルという点では同じですが、実はスペックは大きく異なっているため履き心地や履きこなし方には違いがあります。以下では、それぞれのスペックや履き心地の違いの観点から市民ランナーにとってのおすすめはどちらなのか解説していきます。
それぞれのシューズの解説は下記を御覧ください
先に結論・まとめ
実際の履き心地は個人個人によって違うので一概には言えないのですが、とてもざっくりした結論から言うと
- 距離の観点:どちらもフルマラソンで十分使えますが、強いて言えばフルマラソンで使うなら、アディゼロプロ、ハーフマラソン以下・比較的短距離のレースならアディオスプロがおすすめです。
- 接地の観点:ヒールストライク・ミッドフット気味の接地感ならアディゼロプロ、前足部フォアフット着地のランナーならアディオスプロがおすすめです。
- スピードの観点:サブ3、サブ3.5を目標にしているランナーはアディゼロプロ、サブエガ・さらに高みを目指しているシリアス市民ランナーやアスリートはアディオスプロがおすすめです。
- 走法の観点:(どちらもストライドは自然と伸びるのですが)ピッチ走法気味の人はアディゼロプロ、ストライド走法寄りのランナーはアディオスプロがおすすめです。
それではここからは、この2つのシューズの違いについて、ミッドソール、カーボン、アウトソールの構造の観点から比較説明していきます。
ミッドソールの特徴
アディオスプロのミッドソールはとても特徴的で、LIGHTSTRIKE PROというライトストライクよりもさらに軽量で反発のある素材が超肉厚で搭載されています。(ライトストライクという名前がついていますが、アディゼロプロのライトストライクとは全く違う素材感です)とてもバウンド感があり履いて少し飛んだだけで早く走れそうなワクワク感があります。これによりかなりクッション性が高く疲れにくい仕様になっていますが、一方で沈み込むような感覚があります。この不安定さは後述する踵のカーボンで安定性を担保しています。ナイキのヴェイパーフライやアルファフライのようにカーボンの反発を使うというよりは、このフォームの反発を使って走るようなイメージのシューズで、とても跳ねるのでストライドも伸びやすいシューズです。よって、履きこなすためにはある程度の脚力や体幹をもっている必要があります。
カーボンの特徴
アディゼロプロはカービテックスというカーボンプレートが入っています。これにより着地したときの安定感が担保されています。ただし、このカーボンプレートを潰して反発をもらうというよりは前へのスムーズな体重移動と安定感という恩恵を受けつつ走る感じです。
アディオスプロはかかと部分のプレートと、前足部の5本の骨状のカーボンのEnergy Rodsの2つが搭載されています。かかと部分のカーボンプレートは肉厚なクッションによるブレ、不安定さを防ぎ、5本のエナジーロッドはスムーズな前への重心移動をアシストしてくれます。接地感を掴むために少し時間がかかるのと、ややスピードコントロールがしにくいため、履きこなすのに時間がかかりますし、常に自分にとって一番スピードを出しやすいポイントを気にしながら接地することが必要です。
アウトソールの特徴
アディゼロプロは他のアディダスシリーズにも多く使われているコンチネンタルラバーという自動車や自転車のタイヤに使われている耐久性とグリップ力が強い素材が使われています。中足部とかかと部分は軽量化のため部分的にしか使われていません。
アディオスプロのアウトソールはとてもシンプルで軽量ラバーが使われています。残念ながら耐久性の評価はそこまで高くないのですが、ロードのレース環境に耐えうるだけのグリップ力は発揮してくれます。
以上、いかがでしたでしょうか。是非お気に入りの一足を選んで、快適なランニングライフを楽しんでください!それではHave a nice run!!