アディダスのレース、スピード系人気シューズであるアディオスプロ3.0について気になっている方多いのではないでしょうか?そんなアディオスプロ3.0の基本スペックから良い点・気になる点、他シューズとの比較、さらにこんなランナーにおすすめ、アッパー素材やミッドソール、アウトソール素材について詳細な解説・レビューします。
基本情報
エリートランナー向けの厚底カーボンシューズであるアディオスプロが昨年2021年7月1日に2.0となって発売さてからわずか1年で新作の3.0が発売されました。「革新的厚底軽量エリートレーシングシューズ勝負の5本指カーボン」という挑戦的なコンセプトのシューズです。
通常1年のサイクルではアッパー素材だけのマイナーアップデート?かと思いきや全面的に変更を加えてきています。見た目からわかるようにミッドソールの前足部がさらに肉厚になり、よりつま先の反り上がりが大きくなっています。
また、ミッドソールの内部も変更が加えられ、5本指カーボン、エナジーロッドがかかと部分まで伸びた設計に変わっています。これに加えてアッパー素材も変更されています。
前作のミッドソールのライトストライクプロの非常に強い反発性・推進力はしっかりと引き継ぎつつ、前作でややネガティブなレビューが不安定さ、柔らかさによるグラつきやエネルギーロスというポイントをしっかりと解消してきています。そしてアディダスが企業として力をいれているサステイナブル素材で作られている製品です。ユーザーのレビューと企業としての環境配慮への姿勢を融合した、競技向けの素晴らしいランニングシューズになっています。
基本情報 | |
ブランド | アディダス |
シリーズ | アディオス |
モデル | アディオスプロ3.0 |
タイプ | レース、スピード系 |
重さ | 216g |
ヒールドロップ | 6mm (かかと部分39.5mm, 前足部33.5mm) |
対象ランナー | サブ3、アスリート |
良い点・気になる点
- World Athleticsの新ガイドライン公認のエリートランナー向けのランニングシューズです(規定ギリギリのかかと部分39.5mmのスタック)。今作は前作よりも前足部が更に肉厚なミッドソールになりました(33mm)
- ミッドソール「ライトストライクプロ」はアディダスの他のミッドソールに比べて非常に強い反発力とクッショニング、そして軽量性を兼ね揃えています
- 前足部にはEnergyrodエナジーロッドという5本の棒状のカーボンが入っており、前へグインと進む強い推進力・ライド感が味わえます
- アウトソールラバーがコンチネンタルのラバーで前作に比べてグリップ力と耐久性がアップしました
- 前作同様、比較的前足部が広めでかかとが細めの日本人の足型に合いやすいラストになっています
- ミッドソールの横幅が広がったことで、アウトソール面積が増えたため安定性がUPしています
- 男女兼用(レディスがない)のモデルのため女性ランナーはハーフ~1サイズダウンで購入を検討されたほうが良いかもしれません
こんな人におすすめ・使える場面やトレーニング
パーツごとの特徴
このシューズの各パーツごとの特徴や機能を紹介していきます!前作との比較も交えながらご説明します。
アッパーの特徴
前作同様、軽量で通気性に優れたセラーメッシュ2.0が使われています。写真で見て分かる通り、向こう側が透けて見えるくらいの薄い素材になっています。セラーメッシュ2.0アッパーは、前作で使われていたアディダスにおける最薄最軽量のリサイクルポリエステル製メッシュが進化したアッパーになっています。この素材は雨に強く濡れてもサラサラな状態を保ってくれる素材で、ADIZERO TAKUMI SEN 7に使われているアッパーと同じような質感です。
また、ミッドソールの高いクッショニングによるグラつき・不安定さを抑えるために、アッパーの内側、特に中足部のサイドにサポートケージ・補強材が組み込まれており、足をしっかりとロック・ホールドしてくれます。他のレーシングシューズ同様、シュータンやヒールカウンター・かかと周りの生地感は非常に薄く柔らかい素材になっていますが、かかと部分には補強材が入っており一定の安定感を担保してくれています。
足型は前作同様、前足部が比較的幅広で丸みがあって(女性にとってはやや大きく感じるでしょう)かかと部分がスリムな日本人の足型に合いやすいラストになっています。ナイキのヴェイパーフライのような全体的にスリムな足型よりもアディオスプロの方がフィット感が高いというランナーは多いのではないでしょうか。
ミッドソールの特徴
ミッドソールは前作と同様にLIGHTSTRIKE PROライトストライクプロが採用されています。このライトストライクはアディダスの他のシューズに搭載されているLIGHTSTRIKEよりも、もちもちした、柔らかく、沈み込むような素材になっています。
このフォームはアディダスの中で最も軽量で反発性の高いフォーム素材になっていて、実際に履いてジャンプしてみるだけでその強い反発を感じることができます。この反発の強いフォームがバネの役割になり、一歩一歩のストライドが大きくなりスピードに乗りやすくなっています。
前作からの違いは、前足部のミッドソールの厚みが増したこと、さらに横幅も広くなったことで、安定感がUPしたことです。更につま先部分の反り上がりが前作よりも急になったため、より前へのライド感を得やすくなっています。
また、カーボンプレートが非常に特徴的で、足の5本の指に合わせるよう、そわせるようにENERGYRODS(エナジーロッド)というカーボンバーが搭載されています。今作ではアウトソールの中央部分がえぐれていて内側に入っているENERGYRODエナジーロッドの存在を確認できます。このENERGYRODエナジーロッドは湾曲して搭載されているため着地したときにより前への推進力を与えてくれます。
LIGHTSTRIKE PROでこのエナジーロッドをサンドイッチすることで着地時の適度な沈み込みや安定性と前へのスムーズな重心移動、カクンと前に移動する感じをサポートしてくれます。これによって接地時間が短くなり足抜けが速くなります。
前作からのもう一つの変更点として、このエナジーロッドがフルレングスになったことです。前作では前足部から中足部にかけて入っていましたが、新作ではかかと部分までエナジーロッドが伸びています。
これによってヒールストライク気味に着地してもしっかりと安定性をたもってくれます。
今作は前作に比べてさらにスイートスポットの癖がなく結果として接地の安定感が増しており、グラつきによるエネルギーロスが少なく推進力を前に生み出してくれるミッドソールのデザインになっています。また、かかと着地しても前作よりも安定性が増しています。
アウトソールの特徴
アウトソールの見た目は前作から少し変化しています。まず前作同様にコンチネンタル社製のアウトソールラバーが採用されています。コンチネンタル社のラバーは自動車や自転車のタイヤなどに使われているグリップ力と耐久性の高いラバーです。
前足部とかかと部分にこのラバーが装着されており、特につま先の蹴り出し部分には厚めのラバーが付いています。前作よりもアウトソールの面積が増えたためこのラバーもより多くついています。
前作との違いとして軽量化のためにかかと部分がえぐれています。また、かかと部分のラバーも前作よりも増量されているため、前作よりも摩擦力と耐久性が強くなっています。
終わりに
新作が発売されるタイミングで価格が下がってくるであろう前作の購入もおすすめです。
以上、いかがでしたでしょうか?それでは Have a nice run!!
adidas公式ホームページ
https://shop.adidas.jp/running/
(画像は公式HPより引用)