asics アシックスが2021年の4月に発売したマジックスピードについて気になっている方多いのではないでしょうか?そんなマジックスピードについて基本スペックから良い点・気になる点、他シューズとの比較、さらにこんなランナーにおすすめ、アッパー素材やミッドソール、アウトソール素材について解説・レビューします。
基本情報
2021年の春に発売予定のアシックスのマジックスピード(Magic Speed)がヨーロッパのアシックスの公式HPで一時的に公開され、話題を呼んでましたが、ついに発売されました!
ここ最近、びわ湖毎日マラソン(川内選手)やアメリカのマラソン大会でトップ選手がアシックスのプロトタイプの厚底シューズを履いていたことで話題になっていましたが、この春についにアシックスが合計4足の新しいレーシングモデルシューズを出すことになりました。メタスピードスカイ、メタスピードエッジ(6月発売)、マジックスピード、ハイパースピードです。
このマジックスピードは、エリートレーシングシューズであるメタスピードスカイに比べるとグリップ力、軽量性や反発性、クッション性やや劣りますが、しっかりとメタスピードスカイの機能やデザインを引き継いでおり、FlyteFoamブラストと前足部に搭載されているカーボンプレート、そしてガイドソールテクノロジーの強い推進力があり、十分レースで使えるシリアス市民ランナー向けのレーシングシューズです。
基本情報 | |
ブランド | asics アシックス |
シリーズ | マジックスピード |
モデル | マジックスピード |
タイプ | レース、スピード系 |
重さ | 224g |
ヒールドロップ | 5mm (踵28mm、前足部23mm) |
対象ランナー | サブ3、サブ3.5 |
良い点・気になる点
こんな人におすすめ・使える場面やトレーニング
パーツごとの特徴
このシューズの各パーツごとの特徴や機能を紹介していきます!
アッパーの特徴
アッパー素材は二重構造になっており、表面はモノフィラメントエンジニアードメッシュという軽量で通気性に優れた柔らかい素材になっており、内側はマルチフィラメントメッシュになっており足当たり・履き心地がとても気持ち良い素材になっています。このモノフィラメントエンジニアードメッシュは、レーシングモデルで初めて搭載された素材になっています。
かかと部分はレーシングモデルにしてはしっかりしており、さすがアシックスという感じです。外から見ると踵部分の生地感は薄いのですが、実際に触ってみるとヒールカウンターのホールド感もある程度あり、アキレス腱部分には内側にクッションパッドが入っているので踵がしっかりホールドし、着地のブレがなく安定してくれます。
踵部分にはMAGIC SPEEDと記載↓
左がマジックスピード、右がハイパースピード↓
ミッドソールの特徴
ミッドソールはノバブラストから使われている新しい素材であるFlyteFoamブラストが使われています。
ノバブラストはアシックスにしてはとてもめずらしい「ポンポン弾む」「トランポリンのように弾む」感じの素材で、今までのアシックスの薄底だったり、安定感があるようなイメージとは大きく異るクッション素材です。とても軽量で反発性があるのでついついスピードを出したくなる、ランニングが楽しくなるようなクッション素材です。非常に反発性と軽量性に優れているのでこの素材が、ついにレーシングモデルに搭載されることになったことは多くのランナーにとって嬉しいニュースでしょう。
FlyteFoamブラストはナイキのZOOM Xと比べるとそこまで沈み込みのないミッドソールですが、やはり反発が強い素材だけあって若干の不安定さもあります。今回のMagic Speedではそのような不安定さを前足部に搭載されたカーボンプレートである程度補強して、しっかりと安定感も担保しています。
ですのでノバブラストの柔らかいイメージとは違って全体として接地感覚は沈み込みは少なく、硬め・しっかり目になっています(同時に発売されたメタスピードスカイと比べてもハード目な接地感です)。よって、地面からの反発をしっかりもらって、地面を感じながら走れるシューズなので柔らかすぎる厚底シューズ(ナイキのZOOMXやNewBalanceのフューエルセルなど)が苦手なランナーにとってはおすすめです。接地感として近いのはエボライドと言えるでしょう。ノバブラストを履いたことがある方は「本当にFlyteFoamブラスト?」という違和感もあるかもしれません。
また、アシックスのライドシリーズやハイパースピードで採用されているガイドソールテクノロジー(つま先と踵が反り上がったゆりかご形状)が見て取れ、自然と重心が前にコロンと転がるようなガイド感があるシューズになっています。これによって脹脛の筋肉の関与がへり、ももやお尻の大きな筋肉の関与が増え全体としてより楽に走れる感覚が得られるだけでなく、スピードを出して走った時につま先がスムーズに地面を離れてくれる感覚が味わえます。
アシックスのライドシリーズはまさにこのガイドソールテクノロジーを利用した「楽に長く走れる」「Energy saving model」として人気を集めています。前足部にカーボンプレートが入っているということですが、ライドシリーズのグライドライドにもカーボンではありませんが樹脂製のプレートが前足部に入っています。これによってより前にコロンと転がるようなライド感が得られます。
カーボンプレート入りシューズですが、カーボンプレートは前足部しか入っていないので比較的足へのダメージや負担が少ないシューズです。また踵着地・ヒールストライクのランナーでも踵にカーボンが入っていないことによって、一般的なランニングシューズと同様に自然な着地・接地感があります。ですので比較的カーボンプレートに慣れていないランナーにもおすすめしたいシューズです。
ノバブラストと同じFlyteFoamブラストが搭載↓
前足部にはカーボンプレートが搭載↓
アウトソールの特徴
アウトソールは同時に発売されるマジックスピードと同様に、中足部から前足部にかけてトラクションの強いラバーが貼り付けられています。アシックスのAHARPLUSという非常に耐久性とグリップ力に優れた素材です。通常のレーシングモデルのアウトソールラバーは前足部にのみしか付いていないことが多いですが、マジックスピードのラバーは踵部分まで貼り付けられており、ヒールストライク(踵着地)のランナーでも比較的履きやすいレーシングモデルになっています。
軽量化のためにかかと部分には着地で摩耗しやすい外側に多くつけられています。レーシングモデルにしてはラバーの面積は多めです。ラバーの向きが小指側に流れていることから、地蹴り出しの足抜けが小指側から抜けるようにガイドするような作用があります。
類似シューズ
マジックスピードと同様に価格帯が1~2万円程度でカーボンプレート入り、レースでもテンポアップシューズとしても使えるサブ3・サブ3.5の市民ランナー向けのシューズを紹介します。具体的なスペックのレビューや評価はリンク先のページを御覧ください。
ナイキエアズームテンポネクスト%
カーボンプレートよりも柔らかい合成樹脂性のプレートが入っており、前足部には空気が入った2つのエアポッズが搭載された非常に反発性の強いレーシング・スピード系のシューズです。マジックスピードと比べるとどちらと言えば、プレートとエアポッズを潰してその反発をもらってストライドを伸ばすような走り方のほうが向いているシューズと言えます。発売から時間がたち価格もだいぶ落ちてきており非常におすすめです。
ナイキエアズームフライ3
フルレングスのカーボンプレートとクッション性の高いリアクトフォームが全面に採用されたミッドソールで、非常に反発性が強いシューズです。こちらもマジックスピードと比べると、カーボンプレートを潰してその反発をもらいストライドを伸ばすように走る走法が向いていると言えます。マジックスピードはどちらかと言えば地面の接地感がある薄底のようなシューズですが、こちらのシューズはリアクトフォームが肉厚なのでクッション性も高いです。初心者向けの厚底カーボンプレートシューズの代表格でありサブ4くらいのランナーにもおすすめできるシューズです。フィット感は足型によっては若干弱いので実際に店頭で履いてみると良いでしょう。発売から時間がたち価格もだいぶ落ちてきており非常におすすめです。
プーマディヴィエイトニトロ
誰でも履けるみんなの厚底というコンセプトでプーマが出したサブ3~サブ4ランナー向けのカーボンプレートシューズです。カーボンプレートの爪先部分が2又に分かれていることで接地のスイートスポットが広く、癖のない着地感になっています。新開発のニトロフォームの反発性・軽量性が高く、レースからテンポアッシュシューズとしても使える万能なシューズです。
カラー展開
メンズのその他のカラー(黄色、黒、サンダーブルー)も今後リリースされる予定です↓
レディスのその他のカラー(緑色、黒、サンダーブルー)も今後リリースされる予定です↓
終わりに
以上、いかがでしたでしょうか。販売価格は税込み17,600円です。ぜひマジックスピードを履いてランニングを楽しんでください!では、Have a nice run!!
アシックス公式HP
https://www.asics.com/jp/ja-jp/